大判例

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大阪地方裁判所 昭和44年(ワ)2112号 判決

以下は、判例タイムズに掲載された記事をそのまま収録しています。オリジナルの判決文ではありません。

〔判決理由〕(五)、医師に対する謝礼

原告近藤は医師に対する謝礼として金一〇、三七〇円の出費をなしたと主張し、<証拠>によつてこれを認めることができるけれども、右の謝礼なるものは、医療行為の対価ではなくまた治療に随伴して当然に必要とされる費用でもなく、謝礼をなす者の全く固有の儀礼的な出捐であることがその性質上明らかであつて、これを賠償金として第三者に転嫁させうる性質のものではないと解するのが相当であるから、認容することができない。<中略>

(二) 保管料 金三〇、〇〇〇円

原告会社は、右以外に、被害車をモータープールに預け入れた毎月五、〇〇〇円宛三一ケ月分の保管料の請求をするので考えてみる。原告会社代表者吉田武治本人尋問の結果によれば、被害車の修理に関し原・被告間で話し合つた結果、被告吉田側の対物(車両)保険金によつてこれを支払うこととし、二ケ月以内に解決するとの合意ができ、保険金の支払いがなされるまで被害車を未修理のまま原告会社で保管することとなつたが、二ケ月間経過するも被告より修理代金の支払いを受けえなかつたので、原告会社において、前記二ケ月を経過した後これをモータープールに預け以後毎月金五、〇〇〇円の保管料を支払つている事実が認められる。ところで、本件全証拠によるも、原・被告間で、原告会社が被害車をモータープールに保管し、その保管料を被告において支払うとの特段の合意がなされたと認めるに足りないが、前記認定の如き合意があつた以上修理代金の支払いを受け修理がなされるまで、相当の期間原告会社においてモータープールに預けて被害車を保管しようとした原告会社側の考えも首肯できないでもないので、相当な期間と額である限り、保管に要した費用も、本件事故による損害として被告に賠償を求めうるものと解するを相当とする。そして、通常ならば、六ケ月程度を要すれば、解決に至るであろうことは経験則上容易に推認させるところ、原告会社において、被告吉田との間で話し合いが進まなかつたことを理由に慢然と保管を続け毎月金五、〇〇〇円というかなり高額の保管料を三一ケ月にも亘つて支払つていたというのであるから、原告会社においても、いたずらに損害を拡大した責任があるものといわざるを得ず、このような場合、保管料の全額を被告に賠償させることはできない。しかして、賠償を求めうる額は、以上の点を総合して、原告主張の保管料のうち約五分の一にあたる金三〇、〇〇〇円をもつて相当と認める(吉崎直弥)

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